Archive forMarch, 2006

Katakana English

気をつけたいカタカナ語

日本語には英語をそのままカタカナに置き換えた言葉があふれています。テーブルやパーティー、コンサートなど、英語と同じ意味で用いられるものが大半ですが、中には意味が英語とは全く異なるものがあります。例えば「ナイーブ」という言葉。皆さんは、英語で「ナイーブ」だと言われたらいい気はしないでしょう。訳は「世間知らずでうぶな様子」ですが、日本では「敏感な」「繊細な」という意味で用いられるようになってしまいました。感性を褒めるつもりで「ナイーブね」などと言う人がいるかもしれませんが、褒め言葉だと受け取りましょう。

また、「気分屋」という意味の「ムーディー」も、日本では「ムードのある」という良い意味で使われています。「ムーディーな部屋でカクテルを飲んだ」とか、「誕生日を夜景の見えるホテルで祝ってくれるムーディーな彼」などと、英語圏の方には奇妙な表現も多いことでしょう。

誤ったカタカナ英語はほかにもあって、「スマート」は、「スマートな体」「このスーツを着るとスマートに見える」などスリムという意味で使われるのが一般的です。また「ゴージャス」は「きらびやかな」「豪華な」という大げさな意味で用いられます。贅沢な装飾や衣装など物質的な様子を表し、人や自然の美しさには使いませんのでご注意ください。また最近登場した言葉に「セレブ」があります。「セレブリティ」の略語ですが、単に「有名人」という意味ではなく、お金持ちで優雅な生活を送っている人のことを「セレブ」と呼んでいます。ですからテレビに出る有名人の中にも「セレブ」でない人はたくさんいるのです。

カタカナ英語にはこのほかにも、「パワーアップ」「スポーツマン」などの和製英語もあり頭を悩ませるところですが、逆にカタカナ英語を上手に使って日本人をびっくりさせるのもおもしろいかもしれません。

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置き換える(おきかえる):to replace
あふれる:to be filled with
大半(たいはん):large portion
異なる(ことなる):to differ
訳(やく):translation
世間知らず(せけんしらず):person who doesn’t know much about the world
うぶな:naive, simple-minded
様子(ようす):appearance, condition, look
敏感な(びんかんな):sensitive
繊細な(せんさいな):delicate, sensitive
感性(かんせい):sensibility, sensitivity
褒める(ほめる):to compliment
受け取る(うけとる):to accept
気分屋(きぶんや):moody, temperamental
夜景(やけい):night view
祝う(いわう):to celebrate
英語圏(えいごけん):English-speaking countries
奇妙な(きみょうな):bizarre
誤った(あやまった):mistaken
一般的な(いっぱんてきな):general
きらびやかな:flamboyant
豪華な(ごうかな):fancy, luxurious
大げさな(おおげさな):overdone, exaggerated
贅沢な(ぜいたくな):luxurious
装飾(そうしょく):decor, ornament
衣装(いしょう):attire
物質的な(ぶっしつてきな):materialistic
登場する(とうじょうする):to appear in the scene
略語(りゃくご):abbreviation
単に(たんに):simply
優雅な(ゆうがな):elegant, graceful, ritzy
和製英語(わせいえいご):Japanese-English word
頭を悩ませる(あたまをなやませる):puzzling

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Ambiguous Japan

あいまい言葉

最近日本では「あいまい言葉」がはやっています。文化庁は「平成16年度 国語に関する世論調査」で、はやり言葉の使用頻度を年齢別に調査しましたが、まずはそこで取り上げられた表現を見てみましょう(「8 言い方の使用頻度」参照)。

(1)「わたしはそう思います」を「わたし的にはそう思います」と言う
(2)「鈴木さんと話をしてました」ということを,鈴木さんと話とかしてました」と言う
(3)「とても良かった」ということを「とても良かったかな,みたいな……」と言って相手の反応を見る
(4)「とてもすばらしい(良い,おいしい,かっこいい等も含む)」という意味で「やばい」と言う
(5)いいか悪いかの判断がつかないときに「微妙(びみょう)」と言う

(1)は「自分の見方は」「自分の立場から言えば」という意味で、「俺的にはOKだけど」「○○ちゃん的にはどうなの?」「私は良くても犬的には迷惑なんじゃない」などと好きなように使えます。(2)の「とか」は物事を例示的に並べるためのものですが、例えば「今日友だちとカフェとか行って~、ショッピングとかして~、家とか帰った」というふうに、何にでも「とか」をつけるのが現代の特徴です。(3)は例文の説明にもあるとおり、断定を避けて相手の反応を見るもの、(4)の「やばい」は本来不都合な状況を表すものが、驚くようなすばらしい状況を前にして「自身の心情が、ひどく揺さぶられている様子」(三省堂「デイリー新語辞典」)を表す表現に変わったものです。(5)は実は私も愛用する表現で、こちらも断定を避けるときに使います。文字では「この服似合う」「う~ん、ビミョー」「このラーメン、ビミョーだね」というように、カタカナで書くことで、本家の「微妙」と区別して使われることが多いようです。

あいまい言葉を耳にして「なんだ最近の若者は」、「言葉の乱れだ」と嘆く方も多いことでしょう。でも私的には人の心理を上手に代弁する独創的な表現だと思います。そもそも日本人は昔から言葉を濁すことで人との衝突を回避してきました。あいまい言葉は人間関係の潤滑油として、若者からサラリーマン、主婦にまでも愛されている表現です。

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あいまい:ambiguous, fuzzy
はやる:become fashionable
文化庁(ぶんかちょう):Cultural Affairs Agency
世論調査(よろんちょうさ):poll, survey
使用頻度(しようひんど):frequency of use
年齢別に(ねんれいべつに):by age
調査する(ちょうさする):survey, research
取り上げる(とりあげる):to pick up, take up
参照(さんしょう):see, refer to
反応(はんのう):reaction
かっこいい:cool
判断(はんだん):judgment
微妙な(びみょうな):subtle
見方(みかた):view, opinion
立場(たちば):position, standpoint
迷惑(めいわく):annoyance
例示的に(れいじてきに):in an illustrative manner
並べる(ならべる):to list, line up
断定(だんてい):assertion 
避ける(さける):to avoid
本来(ほんらい):originally
不都合(ふつごう):inconvenience
自身(じしん):oneself
心情(しんじょう):mind, mentality, sentiment
揺さぶる(ゆさぶる):to shake, sway
様子(ようす):condition, look
愛用する(あいようする):to use habitually
本家(ほんけ):originator
区別する(くべつする):to distinguish
乱れ(みだれ):disorder 
嘆く(なげく):lament 
心理(しんり):psychology 
代弁する(だいべんする):to speak for
独創的な(どくそうてきな):creative, unique
そもそも:in the first place
濁す(にごす):to make unclear
衝突(しょうとつ):conflict 
回避する(かいひする):to avoid
潤滑油(じゅんかつゆ):lubricant
主婦(しゅふ):housewife

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