Katakana English

気をつけたいカタカナ語

日本語には英語をそのままカタカナに置き換えた言葉があふれています。テーブルやパーティー、コンサートなど、英語と同じ意味で用いられるものが大半ですが、中には意味が英語とは全く異なるものがあります。例えば「ナイーブ」という言葉。皆さんは、英語で「ナイーブ」だと言われたらいい気はしないでしょう。訳は「世間知らずでうぶな様子」ですが、日本では「敏感な」「繊細な」という意味で用いられるようになってしまいました。感性を褒めるつもりで「ナイーブね」などと言う人がいるかもしれませんが、褒め言葉だと受け取りましょう。

また、「気分屋」という意味の「ムーディー」も、日本では「ムードのある」という良い意味で使われています。「ムーディーな部屋でカクテルを飲んだ」とか、「誕生日を夜景の見えるホテルで祝ってくれるムーディーな彼」などと、英語圏の方には奇妙な表現も多いことでしょう。

誤ったカタカナ英語はほかにもあって、「スマート」は、「スマートな体」「このスーツを着るとスマートに見える」などスリムという意味で使われるのが一般的です。また「ゴージャス」は「きらびやかな」「豪華な」という大げさな意味で用いられます。贅沢な装飾や衣装など物質的な様子を表し、人や自然の美しさには使いませんのでご注意ください。また最近登場した言葉に「セレブ」があります。「セレブリティ」の略語ですが、単に「有名人」という意味ではなく、お金持ちで優雅な生活を送っている人のことを「セレブ」と呼んでいます。ですからテレビに出る有名人の中にも「セレブ」でない人はたくさんいるのです。

カタカナ英語にはこのほかにも、「パワーアップ」「スポーツマン」などの和製英語もあり頭を悩ませるところですが、逆にカタカナ英語を上手に使って日本人をびっくりさせるのもおもしろいかもしれません。

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置き換える(おきかえる):to replace
あふれる:to be filled with
大半(たいはん):large portion
異なる(ことなる):to differ
訳(やく):translation
世間知らず(せけんしらず):person who doesn’t know much about the world
うぶな:naive, simple-minded
様子(ようす):appearance, condition, look
敏感な(びんかんな):sensitive
繊細な(せんさいな):delicate, sensitive
感性(かんせい):sensibility, sensitivity
褒める(ほめる):to compliment
受け取る(うけとる):to accept
気分屋(きぶんや):moody, temperamental
夜景(やけい):night view
祝う(いわう):to celebrate
英語圏(えいごけん):English-speaking countries
奇妙な(きみょうな):bizarre
誤った(あやまった):mistaken
一般的な(いっぱんてきな):general
きらびやかな:flamboyant
豪華な(ごうかな):fancy, luxurious
大げさな(おおげさな):overdone, exaggerated
贅沢な(ぜいたくな):luxurious
装飾(そうしょく):decor, ornament
衣装(いしょう):attire
物質的な(ぶっしつてきな):materialistic
登場する(とうじょうする):to appear in the scene
略語(りゃくご):abbreviation
単に(たんに):simply
優雅な(ゆうがな):elegant, graceful, ritzy
和製英語(わせいえいご):Japanese-English word
頭を悩ませる(あたまをなやませる):puzzling

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Ambiguous Japan

あいまい言葉

最近日本では「あいまい言葉」がはやっています。文化庁は「平成16年度 国語に関する世論調査」で、はやり言葉の使用頻度を年齢別に調査しましたが、まずはそこで取り上げられた表現を見てみましょう(「8 言い方の使用頻度」参照)。

(1)「わたしはそう思います」を「わたし的にはそう思います」と言う
(2)「鈴木さんと話をしてました」ということを,鈴木さんと話とかしてました」と言う
(3)「とても良かった」ということを「とても良かったかな,みたいな……」と言って相手の反応を見る
(4)「とてもすばらしい(良い,おいしい,かっこいい等も含む)」という意味で「やばい」と言う
(5)いいか悪いかの判断がつかないときに「微妙(びみょう)」と言う

(1)は「自分の見方は」「自分の立場から言えば」という意味で、「俺的にはOKだけど」「○○ちゃん的にはどうなの?」「私は良くても犬的には迷惑なんじゃない」などと好きなように使えます。(2)の「とか」は物事を例示的に並べるためのものですが、例えば「今日友だちとカフェとか行って~、ショッピングとかして~、家とか帰った」というふうに、何にでも「とか」をつけるのが現代の特徴です。(3)は例文の説明にもあるとおり、断定を避けて相手の反応を見るもの、(4)の「やばい」は本来不都合な状況を表すものが、驚くようなすばらしい状況を前にして「自身の心情が、ひどく揺さぶられている様子」(三省堂「デイリー新語辞典」)を表す表現に変わったものです。(5)は実は私も愛用する表現で、こちらも断定を避けるときに使います。文字では「この服似合う」「う~ん、ビミョー」「このラーメン、ビミョーだね」というように、カタカナで書くことで、本家の「微妙」と区別して使われることが多いようです。

あいまい言葉を耳にして「なんだ最近の若者は」、「言葉の乱れだ」と嘆く方も多いことでしょう。でも私的には人の心理を上手に代弁する独創的な表現だと思います。そもそも日本人は昔から言葉を濁すことで人との衝突を回避してきました。あいまい言葉は人間関係の潤滑油として、若者からサラリーマン、主婦にまでも愛されている表現です。

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あいまい:ambiguous, fuzzy
はやる:become fashionable
文化庁(ぶんかちょう):Cultural Affairs Agency
世論調査(よろんちょうさ):poll, survey
使用頻度(しようひんど):frequency of use
年齢別に(ねんれいべつに):by age
調査する(ちょうさする):survey, research
取り上げる(とりあげる):to pick up, take up
参照(さんしょう):see, refer to
反応(はんのう):reaction
かっこいい:cool
判断(はんだん):judgment
微妙な(びみょうな):subtle
見方(みかた):view, opinion
立場(たちば):position, standpoint
迷惑(めいわく):annoyance
例示的に(れいじてきに):in an illustrative manner
並べる(ならべる):to list, line up
断定(だんてい):assertion 
避ける(さける):to avoid
本来(ほんらい):originally
不都合(ふつごう):inconvenience
自身(じしん):oneself
心情(しんじょう):mind, mentality, sentiment
揺さぶる(ゆさぶる):to shake, sway
様子(ようす):condition, look
愛用する(あいようする):to use habitually
本家(ほんけ):originator
区別する(くべつする):to distinguish
乱れ(みだれ):disorder 
嘆く(なげく):lament 
心理(しんり):psychology 
代弁する(だいべんする):to speak for
独創的な(どくそうてきな):creative, unique
そもそも:in the first place
濁す(にごす):to make unclear
衝突(しょうとつ):conflict 
回避する(かいひする):to avoid
潤滑油(じゅんかつゆ):lubricant
主婦(しゅふ):housewife

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More subject oddness

主語のようで主語でない

前々回、主語の省略についてお話しました。今回は主語について、多少難解ですが興味深い例を紹介したいと思います。まずは次の2つの文を訳してみてください。

「ぼくはうなぎだ」
「こんにゃくは太らない」

普通に考えると奇妙なこの2つの文章。日本人であれば、この2つがどういう状況で発せられた言葉であるのかは簡単に察しがつくでしょう。

前者は「私はカレーにします」「じゃあ、ぼくはうなぎだ」というように食事を注文する時の言葉で、後者は例えば「ケーキは(食べれば)太るけど、こんにゃくは(食べても)太らないよ」という意味になります。

日本語を外国語として学習していると、「は」は主語をつくるものだと教えられます。「うなぎ文」と「こんにゃく文」を理解するには、そうした用法が、「は」のごく限られた一面でしかないことも覚えておかなければならないようです。

主語では説明のつかない「は」の使い方について例を紹介しますので、参考にしてください。

・ 母は歌がうまい
・ その秘密は言えない
・ 野菜は鮮度が大切だ
・ 高級ワインはうれしい(もらったらうれしい)
・ 事故で夫は助かったが妻は亡くなった

また、「は」「が」以外にも主語をつくるものがあるので、覚えておきましょう。

・ あの人そんな大金は払えない
・ 父愛した小説
・ 警視庁では犯人に関する情報を求めています

(参考:金谷武洋(2002)『日本語に主語はいらない』講談社選書メチエ)

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難解(なんかい):difficult to understand
興味深い(きょうみぶかい):interesting
紹介する(しょうかいする):to introduce
訳する(やくする):to translate
うなぎ:eel
こんにゃく:mannan
普通に(ふつうに):normally
奇妙な(きみょうな):bizarre
状況(じょうきょう):situation
発する(はっする):to utter
察し(さっし)がつく:to be able to guess
前者(ぜんしゃ):the former
注文する(ちゅうもんする):to order
後者(こうしゃ):the latter
用法(ようほう):usage
限(かぎ)られた一面(いちめん)でしかない:only one aspect of it
参考にする(さんこうにする):to refer to
秘密(ひみつ):secret
鮮度(せんど):freshness
高級(こうきゅう):high class
亡くなる(なくなる):to pass away
大金(たいきん):a large amount of money
小説(しょうせつ):novel
警視庁(けいしちょう):the police department
犯人(はんにん):criminal
情報(じょうほう):information
求める(もとめる):to ask for

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Essay Results 1

作文添削へのご協力ありがとうございました。
作文の例を今後少しずつ紹介していきます。

作文例1 訂正前

その記事にかんして、店長批判の的になったのはもっとも思えたことである

知るかぎりでは、店長は何も悪いことをしていなかった。それなのに、「配慮がない」などの批判を受けた。結局は「通報は正しい」の励ましていた声はおおはばに受けたけれでも、書店を閉店させるほど批判が聞こえたのは不思議なことと思う。

店長を事件のことで非難するより子供に対してするべきじゃなかったかもし中学生はマンガ本6冊を盗めば、その行為は店に対する配慮があるものだろうか。そういう子供を育てた親として、配慮があるだろうか。本人たちを除いて、答える立場にないと思う。

現在の社会を見れば、何も悪いことをしない人に向けられた批判の場合が多いと思う。勉強しない生徒より、落第点をあげた先生が批判を受けた。違反した会社ではなく、告発者が批判された。自分で責任を取らずにあちこちに非難する傾向が続けば、将来の世代に対する影響はどうなるか。この姿勢を後世に伝えるのは配慮があるものだろうか。

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訂正後

その記事にかんして、店長批判の的になったのはもっともだと思う

私の知るかぎりでは、店長は何も悪いことをしていなかった。それなのに、「配慮がない」などの批判を受けた。結局は「通報は正しい」という励ましの声がたくさん寄せられたけれども(or励ましの声は多かったけれども)、書店を閉店させるほど批判があったのは不思議なことだと思う。

店長を事件のことで非難するより子供を非難するべきではなかったか中学生がマンガ本6冊を盗んだ場合(or
盗んだら)
、その行為は店に対する配慮があるものだろうか。そういう子供を育てた親は(or も)、配慮があるだろうか。本人たちを除いて、誰も答える立場にないと思う。

現在の社会を見れば、何も悪いことをしない人に向けられた批判が多いと思う。勉強しない生徒より、落第点をつけた先生が批判を受ける。違反した会社ではなく、告発者が批判される。自分で責任を取らずに周りを非難する傾向が続けば、将来の世代に対する影響はどうなるか。この姿勢を後世に伝えるのは配慮があるものだろうか。

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ポイント

「店長は批判の的になったのは」
中学生ではなく店長「が」批判されたことを言いたいなら、「は」ではなく「が」を。

「おおはばに」は大辞林でこのように定義されています:
数量や規模などの変動の差が大きい・こと(さま)。
「―に値上げする」「―な人事異動」

「子供に対してするべきじゃなかったか」
じゃなかったかは話し言葉

「もし中学生はマンガ本6冊を盗めば」
「もし+現在形」は条件を、「もし+過去形」は仮定を表す。英語と同じ。

この場合、「もし」はないほうがすっきりする。

「あちこちに非難する」
「あちこちを」にすれば文法上は可だが、あまり自然な表現ではない。
通常は「周りを非難する」「他人を非難する」という言い方をする。

コメント

言い回しで間違いは多少あったものの、上級の表現が有効に使われ、言いたいことが伝わってくる文章でした。
あとは読書や会話など、生きた日本語に触れて自然な日本語をマスターするだけですね。

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Subject omission

主語の省略

日本語の特徴のひとつに主語の省略があります。
「昨日どこか行ってたの?電話したけど留守だったから」
「別に。ずっとうちにいたよ」

主語の省略は、英語など主語を大切にする言語とは異なり、主題を重視する日本語ならではの特徴です。基本的に「言わなくてもわかることは、いちいち言わない」ということで、これは主語だけではなく「私の」「~さんの」といった所有格にも当てはまります。

ただ、これでコミュニケーションがとれているかというと、必ずしもそうではないことも多いようです。例えば私が子供を連れて公園に行くと、そこで会った人に「おいくつですか」と聞かれることがよくあります。もちろん子供の歳をきいているのですが、うっかり自分の年齢を答えて恥ずかしい思いをしたこともありました。また、主語を省略しすぎたばかりに話がわからなくなり、会話の途中で「誰が何をやった」という確認作業をしなければならなくなるケースもあります。「言わなくてもわかることは言わない」といっても、自分と相手の認識に差はあります。ですから、認識の差を埋めるためにも適度に主語を補ったり、ヒントとして敬語を使ったりしなければなりません。

主語の省略は文章を書くときにも当てはまります。極端な例は古文で、例えば源氏物語は主語がほとんど使われていないことで有名です。文脈や述部の表現で主語を推測すること、つまり「察する」ことが現代以上に求められたというわけです。

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省略(しょうりゃく):omission
留守(るす):absence from home
別に(べつに):not especially, not really
異なる(ことなる):to differ
主題(しゅだい):topic
重視する(じゅうしする):to value, emphasize
ならではの:one’s unique 日本語ならではの特徴:characteristics that are unique to the Japanese language
いちいち:each time, point by point
所有格(しょゆうかく):possessive
当てはまる(あてはまる):applied to
必ずしも(かならずしも)~ない:not necessarily
歳(とし)、年齢(ねんれい):age
うっかり:unwittingly
ばかりに:because (simple cause brings about negative outcome)
途中で(とちゅうで):in the middle of, on one’s way to
認識(にんしき):recognition
差(さ):gap, difference
埋める(うめる):to fill, bury
適度に(てきどに):reasonably, moderately
補う(おぎなう):to fill in gaps, supplement
極端な(きょくたんな):extreme
古文(こぶん):classical literature
源氏物語(げんじものがたり):Tale of Genji
文脈(ぶんみゃく):context
述部(じゅつぶ):predicate
推測する(すいそくする):to guess
察する(さっする):to infer, take a hint

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